競艇の舟券予想の基本の一つに、「突き抜ける艇がいるかどうか」を見極める目が必要となる。インに対して、カドの艇、あるいは他の艇がパワーで突き抜け、インをたたく展開になるか、ならないか。まず、そこを見極めなければならない。
9日の戸田競艇初日を例にとってみよう。2Rのカド矢橋成介は、いわゆる「突き抜ける足」をしていた。モーター勝率は33・1%と中堅の域だが、近況は行き足中心に軽快に仕上がる上昇機。体重56・8キロと重量級の矢橋が、スリット後にグッと出て行って、内3艇を一気にまくってしまう足色を見れば、そのパワーが見て取れるだろう。
逆に5Rの佐々木康幸は「突き抜けない足」で、カドからコンマ12のスタート攻勢をかけながら、スタートタイミングがコンマ15だったカド受けの田中堅に伸び返され、まくりは不発。普通ならカド一撃のタイミングだが、エンジンパワーがないと、速攻派の格上・佐々木でも、レースに参加できないのだ。
同様に、3Rの伊藤将吉は絶好のカド5コースになりながら、「突き抜けない足」のため、カドまくりは不発(4着)。一方、4Rの杉山裕也はピット離れから軽快で、カド4コースを奪取して、スリットでは「突き抜ける足」を披露した(結果は同県のイン宮下を先に回す消極策が裏目に出て2着敗退)。
競艇の予想に際し、まずインの選手に対し、エンジンパワーで突き抜ける艇がいるか、いないか。そこをまず厳重チェックして、舟券を組み立ててもらいたい。突き抜ける可能性のある艇が外にいるのに、人気になっている劣勢パワーのイン選手を買うのは、愚の骨頂。
人気のイン選手で勝負したいのなら、イン選手のエンジンパワー(最低でも中堅以上の足色)と、外に突き抜けるパワーの選手がいないことを確認するのは不可欠。その意味でも、モーター履歴に加え、レースリプレイ、スタート展示のチェックは常に欠かさないでいただきたい。